2 旅で出会った本たち

 

旅行に行くと重いのに必ず本を買ってしまいます。
たいていは初めて目にするアーティストの作品集。
それもあまりテキスタイル系は買う事がなく、
写真家やドローイングの作家、あとは工芸でも他のジャンルのもの。
要はその本がかもし出す空気が大切で
直接役に立たなくても眺めているだけで
自分を好きな場所に連れていってくれそうな本を選んでいる気がします。
今回は写真家SOPHIE CALLEの前から買おうか迷っていた作品をまとめたものや
昔の靴やスリッパを集めた写真集などの他は
どこかノスタルジックで神秘的な空気のあるものが多い様です。
特に気に入った3冊を紹介します。

 


「Lundi」
ブリュッセルにて。世界最古のギャルリーのひとつ
ギャルリー・サン・チュベールを歩いていて
この絵本の表紙が店頭に出ていて思わず、飛び込んで買ってしまいました。
キャラクター自体もいいのですが、すごく装丁が凝ってる!
家の形にハードカバーがくり抜かれ
しかも家型の穴のまわりにはエンボスで雪が舞っているのです。

 


中もエンボス炸裂!
どうしても点が密集していたりするのに弱い私。
フランス語です。
他のページに仲間たちがでてきますが、ポットくんの鼻が
ドットで埋め尽くされていたり、湯気の中にスタンプで模様が入っていたり
パターンのヒントにもなります。
結末が気になって、少し辞書を引き引き訳してみました。
どうやら、Lundiは雪に埋もれて天に召されたよう。。。
寂しく、悲しい結末ですが、なぜかほっとする絵本です。

 


「The little seagull book」
Hans-Peter Feldmann
こちらはロンドンのテートモダンで。
ブルーと黄色のコントラストが美しく、写真にもとても合っていてすてきです。
タイトルもいい。

 


黒い点がみえますか?カモメです。
いろいろなところで撮っているようですが、ほとんどこんな感じ。

 


ぱらぱらやっていると、パラパラ漫画みたいにカモメが飛んでいて
(多分そういう意図ではないと思うけれど)
自分が飛んでいるみたいな、清清しい気持ちになります。

 


Elizabth Magill
こちらもテートモダンで。
主に風景を油で描く作家さんのようです。
寂しげだけど、暖かみのある視線で描かれているところがすてきです。

 


とても幻想的な夜の森の絵が気に入りました。
空気が澄んでいる気さえしてきます。

 


こちらは水面。

 


サクラ。見事。
色は淡いのにとても力強い。

 

 

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